ホーム銘柄レポート / Merck & Co
MRK

Merck & Co

分析レポート
作成日 2026-08-15
分析時株価
$136
投資判断
noteで公開
目標株価
noteで公開
📅 本レポートは 2026-08-15 時点の分析です。株価・数値はその時点のもので、最新の状況とは異なる場合があります。最新の株価・開示は各自でご確認ください。
株おじ
株おじ
Kabuly 案内役

この銘柄、まずは"分析"からいっしょに見ていきましょう。

事業と業績までを無料で公開しています。バリュエーションと"結論"パートは、筆者の個人用メモとして非公開にしています。

1. エグゼクティブサマリー

Merck & Co(MRK)は、腫瘍免疫の基幹薬 Keytruda(ペムブロリズマブ) を中心に据えた世界最大級の製薬企業である。2025通期売上は $65,011M(SEC EDGAR確定値)、2024通期 $64,168M から +1.3% と伸長が鈍化しつつも、直近四半期(2026年4-6月期)は売上 $16,607M と前年同期 $15,806M から +5.1% 成長を回復した。KEYTRUDAファミリーは四半期 $8.4B(+4%)と依然として全社売上の約半分を占める一方、皮下注版「Keytruda Qlex」が2026上半期で $590M を計上し、2028年の特許崖に向けた製剤移行が実際に始動している点は重要な進展である。

投資家が最も注意すべきは、直近2四半期のGAAP純利益がマイナスである点だが、これは構造的悪化ではなく一過性費用による会計上の歪みである。 2026年4-6月期の純利益は $-1,335M、希薄化EPS $-0.54(EDGAR確定値)だが、これは2026年5月に完了した Terns Pharmaceuticals買収(約$6.8B)に伴う $5.7B のIPR&D(仕掛研究開発費)一括費用計上($2.31/株)が主因である。同様に2026年1-3月期の純利益 $-4,240M も別のBDディールに伴う一時費用が主因であり、いずれもキャッシュ流出を伴わない、あるいは既に支払済みの買収対価の会計処理であって、本業の営業損益は黒字を維持している。したがって判断はGAAP EPSではなく、正常化後(Non-GAAP)の収益力で行うべきである。

Keytrudaは2028年に米国物質特許が切れ、2024年に約$29.5Bを稼いだ主力の生物学的製剤にバイオシミラーが参入する。これがMRKの中核リスクだが、同社は (a) 皮下注版Keytrudaへの患者移行による延命、(b) PAH治療薬 Winrevair(sotatercept) の立ち上がり、(c) 経口PCSK9阻害薬 MK-0616(エニラセスタット) のピーク売上$5B超見込み、(d) 20超のパイプライン(合計ピーク売上ポテンシャル$50B)で崖の相当部分を埋める計画である。本レポートは、現在株価 $135.84 に対しファンダメンタル基準で新規エントリー可否を客観評価する。

2. 事業構造と競争優位

主要製品・事業構造

  • Keytruda(腫瘍免疫): 全社売上の約半分。四半期 $8.4B。早期がん(アジュバント/ネオアジュバント)への適応拡大と、皮下注版Qlexへの移行が中期の生命線。
  • ワクチン: Gardasil(HPV)、肺炎球菌ワクチン群。Gardasilは中国市場の在庫調整で逆風。
  • 循環器・その他新規: Winrevair(PAH、2024年3月承認の初のクラス)、経口PCSK9のMK-0616。
  • 動物薬(Animal Health): 安定的なキャッシュカウ事業。

Moat(経済的堀)

  • 特許・データ独占: Keytrudaの適応症の広さ(30超のがん種)とバイオマーカー(PD-L1)実績データが処方慣性を生む。
  • 規模とR&D体力: 年間R&D費$30B規模。IPR&D一括費用を計上できるバランスシート耐性。
  • 製造・グローバル販売網: バイオ医薬品の製造難度と当局承認網が参入障壁。

SWOT

  • Strengths: Keytrudaの圧倒的フランチャイズ、強固なキャッシュ創出力、腫瘍領域の臨床開発力、投資適格の財務。
  • Weaknesses: 単一製品依存(Keytruda≈売上半分)、Gardasilの地域的失速、2026年のGAAP収益が買収費用で大きく歪む。
  • Opportunities: 皮下注Keytrudaでの延命、Winrevair/MK-0616の新規ブロックバスター化、20超パイプライン($50Bポテンシャル)、追加M&Aによる崖の穴埋め。
  • Threats: 2028年Keytruda特許崖、IRA(インフレ抑制法)によるKeytrudaのメディケア価格交渉対象化(2027年2月選定→2029年適用見込み)、バイオシミラー価格圧力、大型買収の統合・臨床リスク。

3. 直近業績とファンダメンタル

SEC EDGAR確定財務(XBRL一次データ・締め日ベース)

指標2026 Q2 (4-6月)2026 Q1 (1-3月)2025 Q2 (4-6月)2025通期2024通期
売上 [Revenues]$16,607M$16,286M$15,806M$65,011M$64,168M
純利益 [NetIncomeLoss]$-1,335M$-4,240M$4,427M$18,254M$17,117M
希薄化EPS$-0.54$-1.72$1.76$7.28$6.74
総資産$129,802M$128,685M
株主資本$41,933M$45,878M
現金$6,849M$5,327M

四半期純利益マイナスの要因分析(一過性 vs 構造的)

結論: 一過性である。 2026 Q2の純損失 $-1,335M は、5月完了のTerns Pharmaceuticals買収に伴う $5,700M のR&D費用(IPR&D、代替用途なしのため即時費用化)=$2.31/株 が主因。$5.7Bの費用を吸収してなお純損失が$1.3Bにとどまっている事実は、本業の営業利益が四半期$4B規模で健在であることを示す。Q1の $-4,240M も別のBDディールに伴う一時費用が主因。売上は前年同期比 +5.1% と加速しており、構造的な収益力の毀損ではなく、成長投資(M&A)の会計処理タイミングによる歪みと判断する。EDGARの締め日ベースでもこの2四半期のみがマイナスで、2025各四半期($5,079M / $4,427M / $5,785M)は堅調な黒字であった。

正常化後(Non-GAAP)収益力

  • FY2027 コンセンサスEPS: 約$9.55(一過性費用剥落+新製品寄与で正常run-rate回帰、YoY大幅増)。
  • FY2026売上ガイダンス: $66.3B〜$67.3B(Q2に上方修正)。
  • 配当: 年$3.40(利回り約2.5%)、連続増配。財務は投資適格(総資産$130B・株主資本$42B)。

判断はGAAPの一時損失ではなく、2027正常化EPS ≈ $9.55 を収益力の代表値として用いる(本レポートのバリュエーションもこれに基づく)。

🔒

バリュエーション・投資判断・目標株価(非公開)

3アプローチのバリュエーション、結論(BUY/HOLD/SELL)、12ヶ月目標株価レンジ、エントリー/エグジット戦略・トリガーは、筆者の個人用メモとして非公開にしています。

パスコードが違うようです。

※ この先は非公開です(筆者が個人利用のために解錠します)。

【免責事項】 当ページの情報はAIによる分析を含む一般的な情報提供であり、投資助言・売買勧誘ではありません。当サイトは金融商品取引法上の登録業者ではありません。分析・数値は作成時点のもので、正確性・完全性を保証しません。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。